ハロプロに見るセールス・イネーブルメント成功の秘訣

匿名でないブログを始めてみました。やっぱりイマドキはnoteかな、と思って何人かに話したら「諏訪さんにはnoteは似合わない。はてなでしょやっぱり。」と口を揃えて言われてしまった。正直わかる。というわけで、このご時世にあえてはてなブログです。

 

現在の私のミッション

LIFULLは「LIFULL HOME'S」という日本最大級の不動産ポータルサイトを運営しているほか、地方創生をはじめとした様々な新規事業に取り組んでいる会社です。

私自身はもともとサイト開発や商品開発に携わる企画職、あるいは事業戦略職として仕事をしてきましたが、比較的器用で持ち場を問わないタイプということもあってか、様々な役割・ミッションを1〜2年スパンで任されてきました。

 

現在の私のミッションのひとつに、LIFULL HOME'Sの営業組織におけるセールス・イネーブルメントの推進があります。

セールス・イネーブルメントは日本語で端的に表現しづらい概念です。そのままググってみれば、似たようで微妙に違う様々な定義付けをされていることがわかると思います。例えば、私が読んだこちらの本では「成果を出す営業社員を輩出し続ける人材育成の仕組み」と表現されています。

 

セールス・イネーブルメント 世界最先端の営業組織の作り方

セールス・イネーブルメント 世界最先端の営業組織の作り方

  • 作者:山下 貴宏
  • 発売日: 2019/12/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

私が表現するなら、「それまでバラバラに語られることの多かった営業の育成・行動・成果を結びつけて改善サイクルを回すことで、継続的に成果を出し続ける営業組織をつくる取り組みの総称」とかでしょうか。ポイントは、ある1ヶ月・1年の目標達成が目的ではなく、継続的に成長して成果を出し続ける、そのために育成や行動プロセスにしっかり目を向けていく、というところにあります。

 

ところで、日々のトレーニングにより継続的に成長して、成果すなわちハイレベルなパフォーマンスを魅せ続ける組織が、我らがハロー!プロジェクトです。(ようやく本題)(これを書きたいがためにブログを始めた)(みなまで言うな)

 

www.youtube.com

私の推しである加賀楓さん*1が映える動画をなんとなく貼る

 

ハロプロに学ぶセールス・イネーブルメント成功の秘訣

先日は日本テレビ系「今夜くらべてみました」でもモーニング娘。が特集されていましたが、そのハイレベルなパフォーマンスでハロプロは今や男女問わず多くのファンを熱狂させています。そこについては多くは語りません。

 

コロナ禍でライブパフォーマンスにおいても感染症対策の徹底が求められる中、ハロプロでは各アイドルがソロでJ-POPを中心としたバラード曲のカバーを歌う「Hello! Project 2020 〜The Ballad〜」という講演を全国で展開しています。

その中で最も大きな舞台となる、先日10/12に行われた「Hello! Project 2020 Autumn ~The Ballad~ Extra Number 日本武道館公演」のライブ中トークパートで語られた内容に、セールス・イネーブルメントにも通じる2つのヒントがありました。

 

自分に必要なことを自ら認識し、鍛える(学習する) 

ハロー!プロジェクト全体のリーダーである譜久村さん*2の「このコンサートスタイルでベストなパフォーマンスができるように気にしていることなど、日々やっていることがあれば教えてください。」という投げかけに、Juice=Juiceリーダーの金澤さん*3アンジュルムリーダーの竹内さん*4が、それぞれ以下のように答えます。 

金澤「私、金澤朋子はですね、肺活量のトレーニングを最近するようになって、もともと筋トレとかは好きでよくやっていたんですけど、歌のためになにかトレーニングをしようという考え方になったのは、このソロコンサートを行うようになってからかなーと思うので、今後も継続して努力して、もっともっと素晴らしいパフォーマンスを届けられるように頑張っていきたいと思います。」

 

竹内「私、竹内はですね、体幹レーニングを毎日やっていましたね。歌う、一曲丸々歌う体力がなさすぎて、体幹がなさすぎて、もう本当に大変だった、から体幹鍛えようと思って毎日体幹やってました。」

もともとグループでのパフォーマンスが中心のハロプロでは、ファンが歌だけに集中している状態で一曲を一人で歌い切る、という機会は多くありません。そのような特殊な状況においても、今求められるパフォーマンスに不足していることを自ら考え、それぞれがそれぞれに必要なトレーニングを行っているわけです。日々そうした意識でトレーニングをし続けてきた結果が、金澤さんの圧倒的な歌唱力や、竹内さんの歌・ダンスの抜群の安定感に繋がっているのでしょう。

 

これが1つ目のヒントです。すなわち、各メンバーごとに伸ばすべきポイントは異なるため、一律なトレーニングだけでは不十分であり、各メンバーが自分に必要なトレーニングを自ら考え、選択し、実行できることが肝要ということです。

セールス・イネーブルメントの取り組みにおいても、一律の整った研修コンテンツを用意すればいいのではなく、ハロプロのように自ら考えて必要なトレーニングコンテンツをピックアップできる、そういうシステムと文化を作っていくことが必要です。

 

LIFULL HOME'Sの営業組織においては、これをSalesforceの「myTrailhead」によって実現しました。

 

www.salesforce.com

 

レーニングコンテンツを用意するための専門チームを設け、シンプルな商品理解から、汎用的な営業テクニック、さらには将来のキャリアプランのヒントになるようなコンテンツを多数用意し、メンバーに展開しています。メンバーはときに上長のコーチングによるサポートを受けながら、自ら学習し、成長していきます。

 

同僚のパフォーマンスに学ぶ

また、同じ質問に森戸さん*5は以下のように答えます。これが2つ目のヒントにつながります。

森戸「メンバーひとりずつ歌っているので、そのメンバーの声を沢山聴いて、この人はこういう声の使い方をするんだ、とかなるべく意識して聴くようにしていました。」

ハロプロの魅力を語る際には「継承」という概念が使われがちです。先輩OGのパフォーマンスに憧れて入ってきた新メンバーが仲間たちと切磋琢磨し、やがて後輩を迎え、卒業してまた新たな憧れになる。その循環によって、今のハロー!プロジェクトのパフォーマンスは出来上がっています。

 

ハロプロのライブパフォーマンスは映像も沢山残っていますし、メンバーが一同に介する「ハロコン」のように同僚のパフォーマンスを生で見られる機会もあります。

しかしながら営業という仕事は、基本的に営業とクライアントの1vs1、ある種の密室的な状況で行われることが多いため、同僚や先輩の商談(パフォーマンス)から学ぶ機会は多くありません。この課題を、オンライン営業ツールによる営業を推奨することで解決できます。

 

LIFULL HOME'Sの営業組織においては、主に「bellFace」や「MiiTel」といったツールを利用して商談を録画・録音することにより、営業が学ぶことのできる生きた教材を収集・蓄積しています。

 

bell-face.com

miitel.revcomm.co.jp

 

まだまだ数は少ないものの、録画・録音された商談がチーム内で「今日のこの商談は手応えがあるので聴いてみて」「ここで上手い切り返しができなかったのでアドバイスが欲しい」といった形で展開されるケースが増えています。また、マネージャーも録画・録音された商談を確認することにより、メンバーに対して適切なフィードバックを行うことができます。

 

以上です

というわけで、LIFULL HOME'Sが行っているセールス・イネーブルメントの取り組みについて、ハロー!プロジェクトにこじつけてを参考にしながら紹介してみました。最初の投稿ということで気合い入れた結果、4000文字近い長文になってしまいすみません。今後はもう少し気軽に更新していきたいところです。

 

皆さんが、LIFULLという会社、セールス・イネーブルメントという取り組み、およびハロー!プロジェクトについて興味を持っていただけたなら幸いです。

 

LIFULLでは、一緒に働くメンバーを募集しています。ご興味あればぜひ。

recruit.lifull.com

 

*1:愛称はかえでぃー。モーニング娘。の13期メンバーで、キレのあるダンスと、先輩後輩を問わず虜にする人間性が魅力。かわいい。

*2:愛称はふくちゃん。歴代最長の6年近くモーニング娘。のリーダーを務める、グループの精神的支柱。かわいい。

*3:愛称はかなとも。歌唱力が高く評価されており、今年の1〜2月にはソロでのライブも成功させた。かわいい。というか美人。

*4:愛称はタケちゃん。2代目リーダーとして個性派集団アンジュルムを支える。特技の書道では"正師範"の資格を持つ。かわいい。

*5:愛称はちぃちゃん。モーニング娘。の14期メンバー。以前はカントリー・ガールズに所属し、ももちこと嗣永桃子さんに鍛えられていた。かわいい。