共犯関係、視座、ときどきアイドル
弊社では半年ごとに目標設定-評価を実施しています。
本題に入る前に、弊社の目標設定どんな感じでやってるかも一応書いておかないと伝わらないか・・・でも面倒だな・・・と思ったら採用サイトにある程度書いてあったのでそのまま転記。
■キャリアデザインシート(半年ごと)
全社員が半年ごとに、5年後、3年後、半年後のあるべき姿を設定。中長期のキャリアビジョンやそれを実現するために必要な能力や経験を記載し、上司や会社と共有することで、やりたいことに近しい業務へのアサインやキャリア形成の支援などを受けられます。
■目標設定面談(半年ごと)
キャリアデザインシートの内容に基づき、半年ごとに現在の部署の業務における目標や期待を定量・定性それぞれで明確化し、迷いなく日々の業務に挑戦出来るよう面談を行っています。業績の目標だけでなく、ガイドラインに基づいた360度評価や、普通に業務に徹していても達成することが難しい挑戦目標の設定、社会や組織への貢献を目標にする「利他貢献」など、挑戦することや、仲間に貢献することが当たり前という環境をつくっています。
この目標設定、さらに設定した目標に対する評価に悩むメンバーに対して、私がよくアドバイスするのが「上司と良い(善い)共犯関係を築こう」という話です。
たまに目標設定や評価の面談に"闘争モード"を隠さずに参加してる人がいるんですが、正直戦って得られるものなんてたかが知れてると思うわけです。それよりは、自分の「私はこういうことをやりたい、こういうことで評価されたい」と、上司の「あなたにこういうことをやってほしい、こういうことは評価できる」を率直的かつ建設的にすり合わせていった方が、結果的に正当かつ高い評価は得やすくなるし、そもそも対立するよりそっちの方がローコストよ?という感じ。
上司と部下は結託してええんやで、ということですね。
コメントツリーを見ててマネジメントと技術がメンタリティとして分離してることが問題なんだなと改めて思う。上司と部下は結託してええんやで。なんにせよ成果で測られるんだから。別に上司の判断が常にが正しいとは限らないんだし。もっとうまくやろ。 https://t.co/r1LP5Y12Lx
— えふしん (@fshin2000) 2018年11月29日
で、これって会社を離れてもわりといろんなことに言えると思っておりまして。
例えばアイドルとファン(オタク)の関係です。アイドルとファンって究極的にはコンテンツ提供者と消費者という一方通行な関係で、すぐに疑似恋愛で搾取がどうとか、無銭がどうとか、そういう対立軸の話になりがちです。が、そうではないある種の共犯関係が築けている例は少なくありません。
ミュージシャンあるいは書き手としてアイドル文化に造詣の深いロマン優光氏もそのものズバリ「共犯」というワードを使ってこんなことを書いています。(というかこの連載初めて読んだけどめっちゃ良いな・・・
アイドルとオタクは最終的には他人でしかない。家族でもなければ、友達でもない。週に何回も会話していたとしても、アイドル活動を彼女たちが辞めてしまえば二度と会えなくなるかもしれない存在だ。逆にいえば、オタク側がライブに行かなくなればアイドルもオタクに会うことはできなくなる。そういう奇妙な関係性のなかで、旧来のアイドルとオタクの疑似恋愛を介在するだけではない、「奇妙な共犯関係」ともいうべきものが存在している。そこになにか見るべきものがあるような気がするのだ。
あるいは、私仕事がら不動産関係の相談を受けることも多いんですが、不動産仲介会社との付き合い方も同じだと思っています。仲介手数料を1円でも安くしてやろう、という立ち回りをするよりも、仲介手数料を支払う分だけこの人を使い倒してやろう、という方が結果的に良い物件・良い契約が得られる可能性高いはずです。これもまた共犯関係。
この辺は突き詰めていくと、視座の話にもつながっていくのかもなあ。この記事で書かれているような視座。
共通のゴール、例えばアイドルとそのファンであれば「売れて有名になる - そうした物語の一部になる」ことだったり、不動産仲介とそのお客さんであれば「良いビジネスをする - 良い住まいを得る」に向けて、より高い視座を持って振る舞おう!ということなのかもしれません。