イネーブルメントチームはどこに置くのがベストなんだろうね

ありがたいことにSalesforceさんに再びイベント登壇(といってもリモートだけど)の機会をいただき、弊社のセールスイネーブルメントの取り組みについてお話させていただきました。

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今回は超ざっくり言えば

  • SECIモデルいいよね
  • ツール活用により営業でもそういうナレッジマネジメントできるよね
  • 営業DXとかセールスイネーブルメントとかの取り組みも、何を目的に何をゴールにやるかというビジョンが大事だよね

とかそんな感じの話でした。ビジョン is 大事。具体例中心で全体的には「知ってるよ、やってるよ」というアレが多かったのではと思いますが、視聴・聴講する側の気の持ちよう次第でイベントやセミナーから得られるものって全然変わってくるものですので、何も得られなかったならそれはあなたの問題です(突然の突き放し)

 

さて、表題の件です

イベントで話さなかったことを何か書こうということで思いついた表題の件について。一定以上の規模の組織でセールスイネーブルメント的なことを企画して営業に実装していこう!という場合、そういうミッションを持つチームはだいたい以下のようなところに編成されることが多いようです。

  1. 営業組織の中に
  2. 営業組織の外に、事業戦略や営業企画あるいは専門部隊のような位置付けで
  3. 人事本部・管理本部など営業以外の育成ミッションを持つ組織に

弊社の場合は、昨期においては一部の営業部門でトライアルとしてイネーブルメントチームを立ち上げたため1に近く、今期はその取組をLIFULL HOME'Sの営業全体に拡げていくための専門チームとして「カスタマーサクセス推進部」を立ち上げたため2の編成になっています。

 

そんな形で1と2の両方を経験している私からすると、当然どちらにもメリットデメリットがあって「こっちが絶対的な正解!」というものはありません。

新しい取り組みにおいて必ず発生する現場の抵抗や摩擦を乗り越える推進力は、まさにその現場の一員である1の方に分があります。他方、現場の一員となるがゆえに従来大事にしてきた価値観や業績指標に引きずられて、本来実施すべきアクションが歪んだ形で進むリスクを抱えます。どちらも一長一短。

 

じゃあどっち?というときに考えるべきは、どちらが「変化に迅速に適応し続ける」「企業文化を変革する」というDXの本質に近いかだと思っています。経済産業省が出している、デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会の中間報告書『DXレポート2(中間取りまとめ)』では、以下のようにまとめられており、

変化に迅速に適応し続けること、その中ではITシステムのみならず企業文化(固定観念)を変革することがDXの本質であり、企業の目指すべき方向性

 

私はセールスイネーブルメントも企業のDX化に不可欠なパートであると思っているので、いかに「文化」を変えていけるかに尽きるんですよね。

 

なので、過去の様々な取り組みの中で、それが今も「文化」として根付いているような取り組み、それがどのように進められていたかを振り返ってみてはいかがでしょうか。

弊社においては、「ある部署が勝手に始める→それが良いものだとして少しずつ広がる」という形で進められたものの方が、組織の外からもたらされるものよりも結果的に文化として根付いている印象を私は持っています。ので、1からスタートして2に移る進め方は(正直そういうことを狙っていたわけではないけど)適していたのではないかと。もちろんその逆で、経営者からのトップダウンであったり、組織外からの適切なインストールありきで進められたものの方が文化として根付いている例もあるでしょう。

 

ドラスティックな変革はドラスティックに持ち込まれるべき?

前述の経産省レポートでもこういうことが書かれていて、経営トップのリーダーシップがまず大事!と言われているわけですが、

こうしたツールの迅速かつ全社的な導入には経営トップのリーダーシップが重要。企業が経営のリーダーシップの下、企業文化を変革していくうえでのファーストステップとなる

最終ゴールを「企業文化の変革」に置いた場合、そのファーストステップを踏むことが最適じゃない企業もそれなりにあると思うんだよな。この辺、ツール導入やある業務プロセスの導入と「DX」の境界がグラデーションなのも、フラットに考えづらいところだ。。。(ツール導入レベルならトップダウンでドラスティックにガーッと動かした方がそりゃ早いでしょ的な意味で)